
サンフランシスコの短大を卒業後、バージニアの4年制大学に編入して一年が経った頃、就職を考え始めていた私が出会ったのが梅野木老人ホームでした。大学を卒業後は日本に帰って働こうと考えていたのですが、日系老人ホームという発想に興味を持ったのでご連絡させていただきました。

社会人1年目ということもあり、とにかく不安と緊張でいっぱいでした。分からないことだらけ出来ないことだらけだった私に根気強くご指導してくださったボスを始めとするワーカーさんや学生の皆様には本当に感謝しています。勢いと楽しさだけで自由に生きてきた私が変わるきっかけになりました。

イベント満載のここ梅野木ホームではほぼ毎月イベントを行っていました。OPTとして雇われていた私は、イベントや装飾もメインで行って欲しいと言われていたのですが、中心になって何かをするということに向いていない私は悩んでばかりでした。そんな私を引っ張ってくれて“一緒に頑張ろう”と、アドバイスをくれた同期がいたことは何よりの支えでした。


ダンスの練習、映画作成や小劇、演奏会、ムービー上映など今思い出しても相当濃い梅野木ホームでの1年間でした。こんなにも自由に様々なことが出来たのもきちんと計画さえ立てればやりたいことはどんどん実行しても良いという梅野木スピリッツのおかげで、大変良い体験ができました。装飾を頑張った後に利用者さんやそのご家族からお褒めの言葉をいただけた事は何よりの財産です。

よく笑ってよく泣いて、喜怒哀楽の多い忘れられない一年をありがとうございました。アメリカにいると“あなたはどこの国から来たの?”と聞かれることが度々あります。そして日本人というだけで褒められることが何度もあった私はその度に、プラスのイメージを残してくださった日本人の方々に感謝してもし切れない思いでいっぱいでした。そんな私が日系の老人ホームで働くことは宿命だったように思います。

今後は私も異国の地で頑張ってきた利用者さんたちを見習い、日本人という看板を汚さぬように生きていきたいと思います。次はワーカーとしてではなく、違った形でまた梅野木に遊びに行きたいなと思っていますので、その時はよろしくお願いします。キッチンさんのお食事が今から楽しみで仕方ないです。