

15年ほど、老人保健施設で介護の仕事をしていました。介護先進国であるアメリカの老人ホームでの利用者様はどのように生活し、介護者はどのように働いているのかと言うことに興味があり、その中で得られるものがあれば、という思いで梅野木ホームに応募させていただきました。

3ヶ月間という短い間でしたが、その3ヶ月の間にハロウィン、サンクスギビング、クリスマス、お正月と行事が目白押しでした。梅野木ホームではその一つ一つの行事を大切にし、生活している皆様に喜んでもらう為に、研修生皆で色々な案を用いて計画を立てます。大変だと感じることもありましたが、利用者様やそのご家族の方々に喜んでいただいた瞬間に、すべての努力が喜びに変わった事は忘れられません。私もその一員であれた事を幸せに思えた瞬間でもありました。


行事を行うことは、単調な施設で生活する中で、季節を感じたり、アメリカで暮らしている利用者様に、遠い日本を思い出していただけるきっかけ作りにもなると思います。行事は生活にメリハリをつけるとともに、生きるための楽しみを得ることができるということを実感しました。それと同時に、基礎に沿って介護を行うよりもどうやって利用者様に喜んでもらい、寄り添えるかを考え、失敗を恐れずに自分のアイディアを実行していく研修生の姿勢と、それを温かく見守る上司に感銘を受けました。そして協力し合い、皆で作り上げていく楽しさを体感できました。


梅野木ホームで暮らしている利用者様との出会いはとても感慨深いものがありました。その中でも、ある2世の利用者様との出会いは忘れられません。彼女は兄弟や1世である両親の話、アメリカでの生活を快く話してくださいました。その話の中からは日本とアメリカの2つの母国の狭間で生活した苦悩や差別、キャリアウーマンをして働いた喜びなど、日本では聞き得ない、心情や生活を垣間見ることができました。このような体験は梅野木ホームだからことできる経験だと思います。

アメリカで生活するに当たり、不安もたくさんありましたが、ホーム職員の皆様が気に掛けてくださり、楽しく、安心して生活することができました。特に上司には食事に誘ってくださったり、サンフランシスコを案内してくださり感謝しています。研修生間も和気藹々としており、研修生であるルームメイト同士で料理を作り、語り合った時間はかけがえのない思い出となりました。梅野木ホームに来て一番良かったと感じることは、日本では出会えなかった、であろうスタッフの皆さんや利用者様との出会いでした。今回の研修の中で、私の一番の財産となりました。この場をかりて皆様にお礼申し上げます。