千葉大学 茅場 大輔
不安のほうが大きかった

この夏2ヶ月間、梅野木ホームでのボランティア研修をして、様々な経験が出来ました。ボランティアを始める前は、介護に対しての無知から、利用者さんとどのように接したらいいのか、また自分の不注意で怪我をさせてしまったら大変だ、などの不安のほうが大きかったでです。

利用者さん達のような年代の人と接する機会はなかなかない

しかしこのような不安は、ボスやワーカーさんたちからの介護をする上での注意点や輔助での実際の動き方などを教わるうちに、徐々に解消されていきました。利用者さんの移乗(車椅子からトイレやベッドに移動するのを手伝ったりすること)をお手伝いするときよりも、むしろ利用者さんが一人で何かをするときに、バランスを崩したりする危険度が高いということも分かり、介護は本当に気の抜けないことなんだと、その大変さを実感しました。それでも、動き方が分かってくると心の余裕も出てきて、あまり心配しすぎず、それでいて気を張るべきところはきっちりと気を張るといったメリハリをもってボランティアをすることができました。時がたつにつれ、ただボランティアをするというのではなく、利用者さんとの交流も深まってきて楽しく過ごすことができました。利用者さんの若かったころの話をしたり、塗り絵などのアクティビティを一緒にしたり、一緒にテレビでフットボール観戦をしたり、食事介助をしたりする中で気付いたことは、利用者さんのみなさんそれぞれ個性的で、魅力ある方ばかりであるということです。日本で普通に生活していたら、利用者さん達のような年代の人と接する機会はなかなかないし、介護のお手伝いをするという事もほとんどない夏休みになっていたことは間違いありません。学生という立場である私にとって、働く経験、また戦争の経験などのリアリティーのある話を聞くことは、とても貴重な経験でした。

日本人のおもてなしの精神からくるもの

また、ワーカーさん達の働く姿や利用者さんたちとの交流する姿を見て、介護をする上での気配りをする姿勢や大変さを間のあたりにしました。それでいて、ワーカーさん達は皆いきいきと働いていました。ただケアをするだけではなく、利用者さんたちにはこの梅野木ホームで楽しく健康的に過ごしてもらおう、というホスピタリティーを感じました。このような心のケアまで行き届いた介護というのは、日本人のおもてなしの精神からくるものだと思い、これこそ日本人のよさだなと、異国の地で実感することとなったのは面白いことだと思います。

一人一人が感心を持つべきこと

介護という仕事は、これからの世の中に必要であり、また一人一人が関心を持つべきことなんだなと、改めて実感した今回の研修でした。梅野木ホームでの体験は、日本に帰って生活していくなかで必ず活きていく体験になることは間違いないことです。なぜなら日本はアメリカ以上に高齢化が進んでおり、私たち一人一人が考えていかなければならない、また関わることになる問題だからです。それを考えるきっかけをくれた、梅野木ホームでの介護体験は本当に有意義なものでした。お世話になった梅野木ホームの方々、本当にありがとうございました。