
約三ヶ月という短い期間でしたが、梅野木ホームでの経験は自分の将来を見つめ直す大きなキッカケとなりました。それは、社会へ出て仕事をするという責任の重さや、自分の考えの甘さを改めて感じさせてくれるものでした。
日本の高校卒業後、私はアメリカへ渡りました。そこでの二年半の大学生活の間、働くことからかけ離れた生活をしていました。将来のことを考えると、働くという経験をつまなければいけないと感じ、OPTを取得しました。
そして、梅野木ホームでインターンシップをする機会を頂きました。そこでは本当に大切なことをたくさん学ばせていただきました。利用者さんとの接し方、自分の役割のこなし方、そして、自ら進んで利用者さんをはじめ、周りのスタッフの気持ちを考えながら行動することの大切さを学ぶことが出来ました。
梅野木のスタッフのみなさまのアドバイスやその行動から、介護の世界の深さを改めて知る事が出来ました。ここで感じたことは、これからの私の人生にとって、とても意味のあるものになると感じています。

介護の経験がまったく無かった私でした。利用者さんの気持ちにどれだけ添えるか、不安の中で、研修を始めました。
利用者さんと関わる時間も徐々に増え、食事の介助や移乗に携わる機会もありました。その経験から、介護の仕方は利用者さんそれぞれのケースに合わせて行われなくてはいけないことを知りました。
これは、研修を始めてすぐの私には、気付くことが出来ませんでした。ただただ利用者さんを不快な気分にしてはいないか、と心配でした。しかし、時間が過ぎると共に、利用者さん一人一人の性格や生活習慣を知ることができました。このことは介助をする上でとても重要な事だと気付き、自分の行動を改善していくことが出来ました。
そして、利用者さんの「ありがとう。」という言葉が、私のような経験の少ないものの介助でも必要とされていると確信しました。その確信は、自信へと繋がりました。
又、ホスピスケアを通し、毎日の介助を悔いなく、自分の出来る最善のケアを利用者さんにお届けすることの重要性を改めて感じました。
生と死を目の当たりにする日々は、私にとって簡単にやり過ごすことができない時間でした。今回の経験を忘れないよう、心に刻んでいきたいと思います。

梅野木で働かれる方々は、とても親切な方が多く、困っている時に何度も手を差し伸べてもらいました。利用者さんを第一に考えるスタッフ方が集まり、そして、一年中を通し、さまざまなアクティビティが行われ、笑顔の絶えない環境だと実感しました。
さらに、優しさだけでアドバイスするのではなく、時に厳しく、本気で私を叱ってくださいました。このように、相手を思い、心底から助言して下さるスタッフ方に囲まれて生活を送ることができ、本当に多くの事が学べました。
私が3ヶ月間のインターンを素晴らしい経験と共に終えることが出来たのも、皆さんのおかげだと思います。

私の専門は心理学です。今回介護の世界へ入り、多種多様な利用者さんや、そのご家族と接する事ができました。これは、普段の大学生活では体験出来ないことです。これを機に、本から得られる知識だけではなく、この経験を元に、心理学の追及に励んでいきたいと思います。
そして、決して十分とは言えませんが、今回得た介助の技術を、今後の生活の中で生かしていきたいです。